辛い時の気分転換 - 読書「今のあなたで大丈夫」

普段自分では読まないような小説を探しに図書館に行った時に、
たまたま目についた一冊が香山リカさんの「今のあなたで大丈夫」です。


色々うまくいかなかったり、何事も楽しめなく過ごしていると、
自分の能力不足や考え方が良くないのではないか、と思ってしまいます。
そうした時にはもっと勉強したり、意識を変えたりして、
努力しないといけない、と思っていました。


ただ、「今のあなたで大丈夫」を読むと、
今の自分を悲観せずに前向きな気持ちになることができました。


また、新しい環境に身を置く時に、自分らしさで悩むことがあると思います。
自分の場合に思い出すのは、高校1年生と新卒1年目の時のことです。
どちらも新しい環境に適応するのに必死でした。
高校入学してすぐは、とにかく周囲からハブられることに怯えていた気がします。
社会人1年目の時は働き続けられるか不安で、必要以上にペコペコしていました。


どちらもしんどかったのですが、その1つの理由に、
自分らしさを押し殺していたから、というのがあると思います。
新しい環境に身を置くと、周りは今までの自分を知らないため、
勝手に嫌われないような、万人に好かれそうな態度や、
受け答えを自然としてしまっていたと思います。


そんな時にもこの本を読んでいたら、もっと自然体で過ごせていたはずです。
この本には、心に刺さった内容がたくさんあり、たまに思い出したいところも多かったです。
本を読んで気になった箇所を振り返りたいと思います。

海と船と空と

■そこそこの力で頑張りましょう

印象に残ったところをピックアップしていきます。
この本で一番伝えたいことは「はじめに」に書かれているように思います。

自分を変えることなんてない。今のあなたのままで、目の前にある仕事や楽しみにそこそこの力で取り組み、それでも問題が起きた時には、またそこそこの力で対処。それだけで十分です。

自信が持てず、自分の能力不足に苦しんでいる時は、
どうしても自分を責めてしまうものですよね。
そんな時に頑張りすぎずに、そこそこの力で取り組めばいい
と香山さんは書いています。


香山さんは精神科医で様々な患者さんを診ています。
みな何かに悩んでいる人たちであるわけですが、
全然悩むことじゃないのに悩んでいるように見えることもあるようです。
他人から見ると十分幸せそうに見えても、他の人の分からないことで悩んでいる
ということみたいです。


ここで私が感じたこととしては、
圧倒的に自分の能力が足りないのに、そこそこの努力じゃ
その能力の低さは補えないのではないかということです。


私がよくネガティブになるポイントとして、
もっと努力しなければいけないはずなのに、また時間を無駄にしてしまった、
というものがあります。
たまに頑張れたとしても、頑張る方向性が分からなくなって、
モヤモヤしてしまうのですが。。

■大きな夢を持つことはアイスのトッピング

情報化社会でネットやSNSが普及したことで、
人と比べることが増え、余計に悩むことが多くなっている、ということにも触れられています。
確かに人の呟きや記事を見て羨ましく思ったり、
逆にこんなふうにならないように、しっかりしなければと思うことがあります。


そんな状況でも頑張りすぎず、ゆとりを持ちましょう、
そして、自分にダメ出しするのはやめましょう、と書かれています。
ここでもいやでも、頑張らないと何も変わらないから・・・
とまた思うのですが、
真面目に悩めば悩むほど萎縮するということも書かれていて、
真面目すぎるのも良くないかもと思い始めました。

最初は「自分を甘やかせばますますやらなくなる」と思うかもしれないですが、そうやって不安や緊張から自分を開放してあげれば、もともと生真面目なのですから、知らないあいだにどんどん計画を実行することができるはずです。

これに関してはそうなのか?
いや、そうかもしれないって感じです。
でもこれを読んだ時に最初の方に書かれていたアイスクリームの例えを思い出しました。


大きな目標はアイスクリームのトッピングのようなもので、
肝心なアイスの部分をおざなりにしては仕方ない
、というようなことが記載でした。
これはまさにそうだ、と思います。
叶えたいことがあったり、より良い状態を目指したりしている時に、
自分を追い込んで苦しい精神状態になってしまうと、
肝心の普段の生活が楽しめなくなってしまうのではないでしょうか。
であれば気楽に頑張るくらいがちょうど良いのかもしれないです。

■気分の浮き沈みを楽しもう

気分の浮き沈みがあるのは当然だと思っていましたが、
それが病気から来ることもあるそうです。
気分変調症や、双極性障害(躁うつ)II型の可能性があり、
人によって対処が変わってくるみたいです。


病気なのか、そうではないのか、については区別が難しいですよね。
もしかしたら自分も軽い病気かもしれないと思うことがあります。
しんどい時は沈んでいる時が9.9割なのですが、
たまに楽しくて仕方がない時があり、友達に驚かれることがあります。


こうした気分の浮き沈みが激しくなってしまう原因として、
1つ挙げられているのが、「世の中のスピード感が高まっていて、それに合わせることを求められている
ということみたいです。


宿題や仕事には期限がありますし、
社会ではなるべく人の時間を奪わないように気にしなくてはなりません。
自分のペースを保てなくなった時に、無理にペースを合わせようとして、
精神的に辛くなってしまうのは、よくありそうなことですね。


それに対して香山さんは、以下のように書いています。

本当は改善すべきなのは、あなたの感情ではなくて、あなたを取り巻く環境の方ですね。

なるほど、だから頑張りすぎずに、ゆとりを持つことが大事なのか、と納得しました。
気分の浮き沈みが激しい時には、焦らずに自分の状況を眺めてみましょう、
とも書かれていて、客観的にみて、落ち着くのは確かに大事だと思いました。

■最後に

最近は仕事で慌ただしくしながら、
休みには何か頑張らないといけない気がするのに、
何かしてもしなくても満足感が得られず、悶々としています。


まずはゆとりを持って、自分のペースでやれることをやる、
というのが、大事ですね。
そうできないから苦しい気もしますが・・・


一方で難しい環境で頑張るというのも良い面があると思っています。
実際に無理して頑張った結果、
難しい局面を乗り越えたことによって自信がついたりして、
頑張って良かったと思うこともあるからなんですよね。


結局は自分を客観的に見て、
どれだけ苦しんでいるのか、精神的に苦しい時にまだ耐えられるのかを
常日頃から見直していくのが大事なのではないかと思います。
トッピングばかり気にして、アイスがなくならないように
自分のペースも大事にしていきたいです。

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