何かを頑張ろうと決めて始めたものの、
うまくいかないことってありませんか。
私もちょっとしたことで挫けたり、
何かと理由をつけてやると決めた事を続けられない事があります。
頑張ろうと決めたはずなのに、いつの間にか決心した自分はいなくなり、
頑張る理由がわからなくなっていたりします。
決心した自分は全くいなくなったわけではないので、
何で頑張れないんだろう、と罪悪感が押し寄せてきます。
特に他人から水をさされるような事があった場合に、
自分を強く持ち続けるのはとても難しい事だと思います。
そんな中で多くの人々に見られる事をしている人は、
それだけ多くの他人からの想いをぶつけられることになります。
称賛されたり、喜ばせる事もできる一方で、
批判や悪口に晒されることもあります。
ポジティブな言葉とネガティブな言葉を同じだけ言われた時、
自分だったらネガティブな言葉の痛みの方がよっぽど大きいです。
ポジティブな言葉を忘れさせてしまうほどの影響があると思います。
多くの批判を受けながらも活躍し続ける人は生まれつきメンタルが強いのでしょうか。
気になったので、ちょうど最近発売されたサッカー日本代表の長友選手の著書「メンタルモンスター」
を読んでみました。
すると、長友選手も批判には傷ついているし、落ち込む事があるそうです。
今回は長友選手の本を読んで、どのようにメンタルをコントロールしているのか、
私にも生かせる事がないかをまとめようと思います。
■失意の中から立ち上がる
まずは長友選手が経験した大きな壁をどのように乗り越えたのか見ていきます。
2014年ブラジルW杯では日本代表には香川(マンチェスターユナイテッド)、
本田(ACミラン)、長友(インテル)などビッグクラブに所属する選手を擁し、目標に優勝を掲げていました。
ここまで海外で活躍する選手が揃って臨むW杯はなかったため、
選手、国民共に期待に胸を踊らせていたが、
結果は1勝もできずにグリープリーグ敗退でした。
この時の経験を長友選手はサッカー人生の中で一番の挫折と言っています。
サッカーが楽しめず、練習にも行きたくない、と思うようになっていたようで、
立ち直るまでに1年以上かかったそうです。
立ち直る時に考えていたことは、
その苦悩のときを「あの時間があって良かった」と思えるようにするために、何がなんでも結果を出す必要があった。
うまくいかなかった事や悔しさを払拭するために、
次の目標に向かって頑張り始めたということなのだと思います。
そこから4年後のロシアW杯では順調にグループリーグを突破し、
決勝トーナメントのベルギー戦でも後半68分時点で、
2−0で勝っている状況でした。
こんなに上手くいって良いのかと自分は思いながらも心は浮き足立っていたのを覚えています。
しかしそこから逆転負けを喫しました。
このとき長友選手はすぐに「もう一度、この舞台に戻ってきてやる」と考えていたそうです。
読んでいて思ったのは、この考え方ができるのは
目標に向かって全力で取り組むことに対しての手応えや、
その経験をすることの楽しさを感じられる精神力が養われていたのではないか、ということです。
そして、さらに4年後のW杯を迎えます。
ロシアW杯で共に戦ったメンバーの何人かは代表を引退し、
長友自身も年齢が高くなっていたため、カタールW杯のメンバーには相応しくないのでは、
という声も多かったです。
この声は長友選手にも届いていましたが、
常に批判に晒されながら、活躍してきた長友選手は、
批判もガソリンとなって、成長の土台としてきたそうです。
批判をガソリンに変えるというのは物凄い大変なことだと思います。
自分は何か嫌な事があると、落ち込んでしまい、
嫌な事を忘れるまではウジウジしてしまうタイプです。
ガソリンに変えるのにはまた別のエネルギーが必要だと思いますし、
反骨心を持ち合わせていない人も多いのではないでしょうか。
ガソリンに変えられる精神の状態について、長友選手の著書から学べることもありそうです。
■ポジティブパワーが光を照らす
本の冒頭に長友選手の精神の核が書かれているように思います。
辛くても、きつくても、苦境にあってもポジティブな姿勢を貫く
ポジティブでいると、思わぬ力を、特にここぞという場面で発揮する事ができる
大事なことはポジティブでいることなんですね。
でもポジティブかどうかは性格の問題で、自分はネガティブよりだから
長友選手と同じように感じるのは難しいのではないかと、読み始めたときは思いました。
しかし、以下の部分を読んでみると、長友選手は自分でポジティブな状態に持っていくように
コントロールしています。
ただ、批判を受けた時にすぐにポジティブになれるわけではない。
あえて前向きな言葉を発し、自分の頭、脳にこれはできる、成長のために必要な事なんだと勘違いさせる。
確かに言葉を発しながら、自分に言い聞かせて、自分を錯覚させるというのは聞いた事があります。
また、長友選手は本田選手などの他の選手に比べて、メンタルが強かったわけではないと書いています。
厳しい現実に直面した時に真っ先に感じるのは不安、プレッシャーだそうで、
自分や他の人と変わらないですね。
それでも自分で試行錯誤しながらネガティブをポジティブに変換し、
苦難を乗り越えていく事で強くなったという事ですね。
大きなミスをした後に叩かれることはサッカー選手ではよくあります。
自分が悪い事をして申し訳なく思ってる時の追い討ちほど刺さるものはないですよね。
メンタルも成長してきた長友選手だからこそだと思いますが、
批判的な意見からも学びにいって、なぜミスをしたのか、どのようにミスを防げば良いか、
考えるポイントにしています。
前向きに捕らえられれば、アドバイスに見えなくもないかもしれませんね。
その域に達するまでは批判に慣れないといけなさそうですが。。
その域に達してこそ、周りの人々や組織を輝かせる光に慣れるのだと思います。
今後もその光の強さがどんどん強くなっていくイメージが湧きました。
■最後に
読んで真っ先に思ったのは、長友選手も常にネガティブな感情と戦いながら結果を出してきたんだ、
ということは、ネガティブな感情を感じないようにするのではなく、
感じながら頑張るためのポジティブを大きくする事が大事なのだ、という事です。
どこかでわかっていた事ではあります。
たいていの人は嫌な事や不安を感じていないわけではない、
自分ばかりが苦しんでいるわけではない、ということに。
自分に大丈夫、と言い聞かせて、大丈夫だと思い込ませるのも有効だと、聞いたこともありました。
それを聞いたときは少し馬鹿らしく思ってしまい、実際に試したことはありませんでしたが、
やる前から決めつけては良くないですね。
実際に試しながら、ポジティブな目標に向かって、苦しい事を乗り越えていけるように
試してみようと思います。
また、取り上げられていなかったのですが、
本の中でたくさんの人への感謝の気持ちも書かれています。
多くの選手が語る言葉ではありますが、長友選手の文章からは心からの思いである事が伝わってきます。
自分も全力で努力して、心から周りに感謝できるような生き方がしたいと思うようになりました。
サッカーファンの人でも楽しめる本だと思いますが、
W杯だけでなく移籍などの裏話も書かれているのでファンは特に読んだら面白いはずです。
自分だけかもではあるものの、46ページの時点から涙しながら読んでいました。。
長友選手の考え方を参考にしながら自分なりに精神力を強くしていきたいと思います。
そして、強くなるだけでなく、
なおかつ精神的に苦しんでいる人の気持ちを分かって寄り添えるような人になっていきたいです。
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